電気自動車と電池は明日を拓く

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発行日時
2020/9/17 4:22
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求む商品化パートナー、色素増感太陽電池で駆動するマウスをリコーが発売
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リコーとビフレステックは9月17日、リコーが培ってきた有機感光体(OPC)技術をもとに開発された固体型色素増感太陽電池(DSCC)の普及拡大を目指した取り組みの一環として、DSCCを搭載することで、従来型の乾電池/蓄電池を不要とした無線マウス「SMART R MOUSE(スマートアール マウス)」をビフレステックと開発、1万個限定で販売すると発表した。

IoTの普及が期待される現在、そうした小型機器の最大の問題が電池をどうするか、という点である。人のあまりいけないところにセンサを置けたとしても、電力線が現場まで届いていればよいが、そうでない場所ではバッテリーでの駆動が求められる。しかし、長期間にわたっての利用となれば、定められた期間ごとや、クラウド経由のバッテリーマネジメントシステム上での残量チェックによって、現場に赴いてバッテリー交換を行わなければいけないという課題があった。

同社のDSCCの最大の特徴が、室内光のような低照度環境であっても発電が可能という点。発電量そのものはシリコンを用いた一般的な太陽電池には敵わないが、薄型軽量で室内光でも発電できるため、単に家屋の屋根の上に設置、というわけではなく、さまざまな場所での活用が期待されている太陽電池となっており、IoT機器で求められる電池レス、メンテナンスフリーへの活用が期待されている。「低照度とされる200lx程度がターゲットで、かつ電解液を用いずに固体材料を使うことで、封止の容易化も実現。こうした固体材料に関する高い技術力はリコーならではのものだと思っている」と同社の担当者は説明する。

すでにDSCCの活用先として、大成が紙製デスク「LOOPLINE T1」としてDSCC搭載製品を発売していたり、温度、湿度、照度、気圧、電圧などを電池交換なしで屋内で測定し続けることができる環境センサの開発が進められており、今回のDSCC搭載無線マウスも、単に新たな技術を活用した先端ガジェットという意味合いだけではなく、そうしたバッテリー問題を解決したいといったニーズを持った事業者などに向け、DSCCの性能を手軽に体験してもらうためのもの、という位置づけも持たされているという。

  • DSCC

    リコー本社の会議室に設置された特別サイズの「LOOPLINE T1」の一部。紙製ながら、強度は十分。また、DSCCで発電された電力はモバイルブースター(モバイルバッテリー)に送られ、緊急時の充電池などの用途として利用されるとのこと

  • DSCC

    開発中の室内光で発電する環境センサ。搭載されるセンサは、開発段階では5種類だが、用途に応じて変更することも可能な模様である

DSCC搭載無線マウスの開発・製造はリコーではなく、パートナーであるビフレステックが担当。同社はリチウムイオンキャパシタ技術などを有しており、DSCCで発電した電力をこのキャパシタに充電することで、バッテリーレスでのマウス動作を可能とした。その発電量と充電能力は、1時間のPC操作のうち5%ほどをマウス操作に用いた場合、600lxの照明を12時間照射することでフル充電される程度で、より頻繁に使う場合、USBケーブル経由で90秒でフル充電することも可能だという。

近年、こうした野心的な製品を企業が販売しようとする場合、クラウドファンディングを活用するということが増えてきているが、今回、リコーは自社での販売を選んだ。これは、より早く実際にものを作って、発売したかったという思いがあったためだという。その背景には、「実用的な色素増感太陽電池があることを知ってもらい、実際に使ってもらえる人に届けていきたかったから」とするほか、DSCCをさらに普及拡大させるためのエコシステムの構築を進めたいという思いがあるためだという。「1社で技術を生み出し、活用する時代ではない、良い技術やノウハウを持っている企業が日本には多く存在している。そうした企業がパートナーとなって、さまざまな分野に向けて、色素増感太陽電池の活用範囲を広げていきたい」とのことで、同マウスでその魅力を確かめてもらい、その可能性を感じてもらえたら、リコーに声をかけてもらい、パートナーとしてさまざまな挑戦につなげていければ、としている。

なお、同マウスは同日より同社の製品紹介サイトにて受注を開始。価格は1480円(税別、送料別。マウス以外のものを含め、3300円以上の購入の場合、送料無料)で、発売は10月1日からを予定しており、早めの注文であれば、10月頭には手元に届く見込みだという。

また、同社は色素増感太陽電池のほかにも有機系の複数の太陽電池の開発を進めているとのことで、有機薄膜太陽電池については実用化も見えてきたとしており、今後、そうした次世代型の太陽電池技術をコンポーネントとして、さまざまな機能を付与して提供していくとしているほか、パートナーを増やし、より幅広い分野に向けた製品への搭載を目指していきたいとしている。

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