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発行日時
2019/12/2 23:53
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パナソニックの半導体事業撤退 日系自動車業界が影響を懸念
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パナソニックが半導体事業からの撤退を決定した。日系企業は半導体事業から相次いで撤退しており、車載半導体の調達では、すでに外資系のシェアが高くなっている。パナソニックは半導体業界でのシェアは高くないものの、ここ数年、車載向けに注力してきた。自動運転や電動化に伴って、自動車に搭載される半導体の数は増加の一途をたどっている中、日系半導体がまた1社姿を消すことに、日系自動車メーカーや部品メーカーの先進技術開発に影響が及ぶ可能性もある。

パナソニックは半導体子会社のパナソニック・セミコンダクターソリューションズ(PSCS)を、台湾の半導体メーカー華邦電子の子会社の新唐科技に2億5000万ドル(約270億円)で売却する。

パナソニックは赤字事業となっていた半導体事業を再建するため、AV分野から車載・産業分野にシフトするとともに、イメージセンサーや、バッテリーマネジメント用IC、リチウムイオン電池保護回路用MOSFETなど、電動車両や自動運転の部品向けにリソースを集中してきた。経営効率化を図るため、北陸工場の半導体ウエハ製造工程を、イスラエルの企業との合弁化し、シンガポール、インドネシア、マレーシアの半導体組立て工場を売却した。国内外の拠点の統廃合も進めてきた。

しかし、米国、韓国や台湾企業のシェアが拡大し、業界再編も加速する中、米中貿易摩擦の影響もあって市況が悪化していることからパナソニックの半導体事業は苦戦が続き、赤字から脱却できない状況が続いていた。新唐科技がパナソニックの半導体事業の技術力や商品力を高く評価していることから事業を売却して撤退することにした。

事業売却に向けてパナソニックの半導体関連子会社の株式を、PSCSに移管する。PSCSのリードフレーム事業は分社化してパナソニックのグループ会社に移管する。その上で2020年6月をPSCSの全株式、シンガポールと中国の子会社の半導体事業を、新唐科技に売却する。国内外の従業員約2400人の雇用は台湾企業が維持する見通し。

半導体市場でトップだった日系半導体メーカーは、米国や台湾企業の台頭でシェアが低下、統合や事業売却を繰り返してきた。現在の日系半導体メーカーの大手は日立、三菱電機、NECのマイコン事業を統合したルネサスエレクトロニクス、外資ファンドも出資しているキオクシア(旧東芝メモリ)、ソニーセミコンダクタソリューションズの3社に絞られる。

一方、グローバルでの車載半導体のシェアトップはNXPセミコンダクターズ、2位がインフィニオン・テクノロジーズだ。かつてトップだった日系のルネサスは3位に後退しており、シェア上位はテキサス・インスツルメンツ(TI)やSTマイクロエレクトロニクスなど、外資がほとんどを占める。

パナソニックは車載半導体のグローバルでのシェアは高くないものの、ここ数年は車載半導体の注力する方針を打ち出していた。自動運転や電動化によって、自動車1台に搭載される半導体の数がますます増加することが予想される中、日系自動車メーカーや部品メーカーにとっては、開発現場ですり合わせて、特定の用途向け半導体などのニーズに対応してくれる日系半導体は貴重な存在だ。ただでさえ自動運転や電動車両向け半導体では、インテルやNVIDIA(エヌビディア)などの外資系の存在感が高まる見通し。パナソニックの半導体撤退で、日系自動車各社は自動運転の開発による影響を探ることになりそうだ。

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