電気自動車と電池は明日を拓く

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発行日時
2020/1/14 20:03
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トヨタがなぜ“街づくり”に取り組むのか
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https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00113/00030/ トヨタがなぜ“街づくり”に取り組むのかへの外部リンク
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全4098文字

 皆様、遅ればせながらあけましておめでとうございます。新年のご挨拶はすでに前回のコラムで済ませているのだが、執筆時はまだ年が明けていなかったので、やはり1回は言っておかないとすっきりしない。で、今このコラムは米国ラスベガスのホテルで書いている。前回の予告どおり、このところ恒例になっている世界最大級のエレクトロニクス関連見本市「CES 2020」からのリポートをお届けするためだ。

 いろいろと見どころはあるのだが、2年ぶりの出展で話題をさらったのがトヨタ自動車だ。2020年のCESが開幕したのは1月7日。その前日の6日は、終日出展各社によるプレスカンファレンスが開催された。カンファレンスの会場では、開場の前から場所取りの長い列ができるのだが、その列がひときわ長かったのがトヨタと、韓国現代自動車だった。19年のCESではトヨタは出展がなく、カンファレンスは実施したもののニュース発表がない「がっかりカンファレンス」だっただけに、今回の発表には期待が集まった。そしてその内容は期待を裏切らないものだった。

新たなビジネスモデルを生み出す

 すでにそのニュースが伝えられてから1週間以上もたつのだから、読者の多くもその内容はご存じだろう。そう、トヨタの今回の発表の主役はクルマではなかった。トヨタが新たな“街”をつくるというのが今回のニュースだ。具体的には、2020年末に閉鎖する予定のトヨタ自動車東日本の東富士工場の跡地を含む約70.8万m2に、様々なモノやサービスがつながる「コネクティッド・シティ」を建設する。名称は「Woven City(ウーブン・シティ)」で、2021年初頭に着工する。

トヨタがトヨタ自動車東日本の東富士工場の跡地に建設する「Woven City」のイメージ(写真:トヨタ自動車)

 新たな街を建設する目的としてトヨタは、実際に人が生活する環境に、自動運転やMaaS(Mobility as a Service)、パーソナルモビリティー、ロボット、スマートホーム、人工知能(AI)などの技術を導入することで、技術やサービスの開発と実証のサイクルを早く回し、新たな価値やビジネスモデルを生み出すことを挙げている。

 また、この街づくりの特徴として挙げられるのが、街を通る道を次のように3つに分類していることだ。

  1. 車両走行用の道:この街はサービス専用EV(電気自動車)「e-Palette」など、完全自動運転で排気ガスも出さない車両のみが走行することを想定している
  2. プロムナードのような道:歩行者と低速のパーソナルモビリティーが共存
  3. 歩道のような道:公園内の歩道など歩行者専用の道

 ほかにも、建物は主にカーボンニュートラルな木材でつくり、屋根には太陽光発電パネルを設置するなど環境にも配慮した。燃料電池発電や物流の設備などの生活インフラはすべて地下に設置する。住民は、室内用ロボットなどの新技術を検証するほか、センサーのデータを活用するAIにより健康状態をチェックするなど、生活の向上を図る。

 そして、この新たな街で重要な役割を果たすのが、e-Paletteだ。人の輸送やモノの配達に加えて、移動用店舗として活用することも想定している。街の中心や各ブロックには、様々な公園・広場をつくり、住民同士のコミュニティーを形成することを目指している。

トヨタブースでの映像展示の様子。e-Paletteは移動だけでなく、店舗としても活用する

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