電気自動車と電池は明日を拓く

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2020/2/13 8:03
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トヨタ自動車、船舶向けの燃料電池を初開発、再エネによる世界一周の航海を支援
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2020年02月13日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

トヨタ自動車、船舶向けの燃料電池を初開発、再エネによる世界一周の航海を支援の写真

トヨタ自動車は2月、トヨタの欧州事業を統括するToyota Motor Europeと共同で、燃料電池技術を初めて船舶向けに応用し、再エネで世界一周航海を目指しているフランスの「エナジー・オブザーバー号」向けのFCシステムを開発したと発表しました。

水素社会を目指すトヨタが船舶向け燃料電池を開発

エネルギーキャリアとして注目を集める水素は、「天然ガスの蒸発」「バイオマスのガス化と熱分解」「水の熱化学的または光化学的分解」「藻類または細菌からの有機生産」「水電解」といった手法を主として生成されています。この内、世界市場において、現状では水素の約95%が化石燃料から生成されています。地球温暖化の影響が徐々に強まる中、水素においても、再エネを使用した水の電気分解から生成するグリーンな水素の必要性が高まってきています。

水素エネルギーの利用方法は多岐にわたりますが、その中の一つとしてモビリティへの適用があります。モビリティに水素を利点する際の利点としては、電気の充電と比較して高速に燃料を補給可能である点が挙げられます。加えて、重量当たりのエネルギー量が大きく、石炭の4.1倍、ガソリンの2.8倍、天然ガスの2.4倍ほどとなっており、軽量化を見込むことができます。また、化石燃料と異なり、水素の生成方法は多岐にわたるため、枯渇の心配もないエネルギー源といえます。

水素利用の拡大については、2017年1月、世界初の水素に関するグローバルイニシアチブとして、「Hydrogen Council(水素協議会)」がスイス・ダボスで設立されました。これは、国際的企業のリーダーが、気候変動の目標達成に向け、水素利用を推進する新しい活動体です。

同イニシアチブは、2017年11月、世界初となる水素利用の具体的なビジョンを公表しています。これにより、21世紀半ばまでには、水素関連技術により、最終エネルギー需要の18%を賄い、CO₂排出量を60億トン減らし、年間2.5兆ドルに相当するビジネスと3,000万人の雇用を生み出すことが見込まれています。このグローバルイニシアティブには、日本の自動車メーカーでは、トヨタ自動車や本田技研工業といった企業が参画しています。トヨタ自動車については、2030年より水素社会の本格普及を目指しており、様々な活動を展開しています(図1)。

国の施策と連動したトヨタの活動の方向性とステップ(日本の例)

図1 国の施策と連動したトヨタの活動の方向性とステップ(日本の例) 出典:トヨタ自動車

こうした中、トヨタ自動車は、トヨタの欧州事業を統括するToyota Motor Europe(TME)と共同で、燃料電池技術を初めて船舶向けに応用し、再エネで世界一周航海を目指しているフランスの「エナジー・オブザーバー号」向けのFCシステムを開発したと発表しました。

なお、TMEは「トヨタ環境チャレンジ2050」でトヨタが目指す「人とクルマと自然とが共生する社会」の考え方に「エナジー・オブザーバー号」が目指すものが一致していると考え、航海開始時からオフィシャル・パートナーとして支援してきた実績があります。

燃料電池自動車「MIRAI」の技術を応用

「エナジー・オブザーバー号」は、2015年、フランスのヨットレーサーのVictorien Erussard氏と、探検家でドキュメンタリー作家のJérôme Delafosse氏が、レース用のボートをエネルギー自立型の船に改造したものが発端となります。これまで、25か国、48寄港し、航海距離は約18,000海里に達しています。

「エナジー・オブザーバー号」は、太陽光や風力といった再エネや、海水から生成した水素を用いた燃料電池を動力とする、世界で初めての自立エネルギー型燃料電池船です。2017年6月に母港であるフランス北部のサン・マロ港を出発し、6年かけて50か国、101の港に立ち寄りながら、世界一周航海に挑戦しています(図2)。

この度、TMEテクニカルセンターは、燃料電池自動車「MIRAI」の搭載部品を用いて、船舶用のコンパクトなFCシステムを開発し、「エナジー・オブザーバー号」に搭載しました。トヨタ自動車によると、従来の「エナジー・オブザーバー号」と比べ、高出力、高効率、高信頼性を実現したとしています。

昨年末には、停泊中の「エナジー・オブザーバー号」でトヨタのFCシステムの搭載試験を実施しています。現在、2020年ツアーの出航を控え、海上で最終試験を行っています。トヨタのFCシステムを搭載した「エナジー・オブザーバー号」は、2020年2月にサン・マロ港を出港し、大西洋と太平洋を横断する予定です。なお、2020年のオリンピック大会中に、「エナジー・オブザーバー号」は東京を経由する見込みとなっています。

トヨタ自動車の燃料電池システムは、走行中にCO2を一切排出しない「ゼロ・エミッション車」として「MIRAI」で長年その利点を実証してきました。近年は、バスやトラックなどにも応用されています。船舶への燃料電利用は、水素社会の実現に向けたさらなる一歩となり、トヨタ自動車は今後も、低炭素社会の実現に貢献するため、さらなる取り組みを進めるとしています。

「エナジー・オブザーバー号」

図2 「エナジー・オブザーバー号」 出典:トヨタ自動車

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