電気自動車と電池は明日を拓く

原子番号 3の元素。元素記号はLi。アルカリ金属の一つ。リチウム二次電池には必須。

常温で安定な結晶構造は、体心立方格子 (BCC)。比重は、0.53、融点は摂氏180℃、沸点は摂氏1330℃(沸点は異なる実験値あり)。銀白色の柔らかい金属である。ナトリウムよりは硬い。同じアルカリ金属のナトリウム、カリウムと比べて反応性は劣り、化学的性質は、アルカリ土類金属、特にマグネシウムと類似するのが特徴。

乾いた空気中ではほとんど変化しないが、水分があると常温でも窒素と反応し窒化リチウム(Li3N) を生ずる。また、熱すると燃焼して酸化リチウム(Li2O)になる。このためリチウムを金属として取り扱う場合はアルゴン雰囲気下で取り扱う必要がある。

リチウムは延性に欠けるので、試薬のリチウムワイヤーは1%程度のナトリウムを添加した合金である。
リチウムは銀白色の軟らかい金属で、ナイフで切ることが出来ます。固体元素の中で最も比重(0.534)が小さい元素です。地殻には20ppm(0.002%)ほど存在します。1817年、スウェーデンのアルフェドソンがペタル石の化学分析を行ったところ、約4%ほど、未知のアルカリ金属(コラム参照)が含まれていました。その後、炎色反応(コラム参照)によって、新しい元素であることを確かめました。以前から知られていたアルカリ金属(ナトリウムとカリウム)が動物や植物に広く含まれているのに対し、新しいアルカリ金属は鉱物から発見されました。よって、新元素の名前は、ギリシャ語のlithos(石の意)に因んでリチウムと名付けられました。

ペタル石の他にリチア雲母とリチア輝石が、リチウムの主要な鉱石として採掘されています。海水中には約0.18ppmのリチウムが含まれており、海水からのリチウム採取技術の研究が行われています。

リチウムの生産状況 anchor.png

最近の情報を収集中。とりあえず、リンクを貼っておく。

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IT需要拡大でリチウム増産続く anchor.png

ちょっと古い2004年の情報ですが、概要はわかります。

IT需要の高まりとともに、リチウムイオン電池の生産が拡大し、それにつれてチリのリチウム生産・輸出額が大幅に伸びている。チリは世界生産量の4割を占める最大のリチウム生産国。世界最大のリチウム生産を誇る鉱業化学メーカーSQMの業績が好調なことから、サンティアゴ証券取引所における2004年6月1~23日の出来高総額の半分をSQM株が占めた。

チリのリチウムの特徴は生産・輸送コストが安く、また確認可採埋蔵量が多い点だ。チリの確認可採埋蔵量は世界の73%を占めている(表)。チリの採掘会社は低コストの生産技術で採掘し、採掘現場は輸出港から200キロしか離れてない。リチウム採掘現場は銅採掘現場に近接しているため、銅輸送で整備された輸送インフラ(道路、港湾設備)も活用できる。

国内の2社が世界のリチウム生産をリードしている。97年に稼動したチリ内資企業SQMの生産能力は年産2万3,000トン(2001年時点)で世界最大規模を誇る。もう1社は84年から操業しているドイツのケメタルのチリ現地法人(Sociedad Chilena de Litio Ltda. La Negra)で、生産能力は年産1万4,500トン。いずれもアタカマ塩湖で原料となる塩水をくみ上げ、プールで天日乾燥した上で、200キロ離れたアントファガスタ市に運び、そこで炭酸リチウムを生産している。

SQMは鉱業化学メーカーで、塩素カリウム、炭酸リチウム、硫酸塩カリウム、ホウ素、肥料(硝酸塩カリウム、硝酸塩ソーダ)、硫酸塩ソーダ、ヨウ素を生産し、ヨウ素生産も世界最大規模。日本を含む世界20ヵ所に現地法人や支店を開設している。炭酸リチウム・同派生品の2003年生産額は全体(6億9,180万ドル)の約7%を占めている。

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リチウム、モリブデンの国際需給に大きな影響力 anchor.png

2005年の情報です。

ところが2004年以降、世界的な需要増で需給バランスが崩れ始めている。ガラス、鉄鋼、リチウムイオン電池業界からの需要増に、中国での需要増も加わり、リチウム需要は逼迫している。しかし世界の4割を生産しているチリ鉱業化学会社(SQM)は、本業であるヨード、硝酸塩カリウムの増産に注力しており、リチウム増産のめどは立っていない。

アタカマ塩湖の塩水を汲み上げ、プールで天日乾燥し、アタカマ塩湖から200キロ離れたアントファガスタ港湾都市で炭酸リチウムを生産している2社のうち、1社はSQMで、97年から稼働、生産能力は年産2万3,000トン(2001年時点)と世界最大規模を誇る。同社は、2002年にアントファガスタの炭酸リチウム工場(Minsalプラント)の年間生産量を2万2,000トンから2万8,000トンに拡張した。もう1社は、ドイツのChemetallのチリ現地法人Sociedad Chilena de Litio Ltda. La Negraで、84年から操業、生産能力は年間1万4,500トン。

SQMはもともと肥料に使用される硝酸塩カリウムや、ヨードの世界最大メーカーである。リチウムは塩水から硝酸塩カリウムと一緒に産出される副産物だが、生産量は世界市場の40%以上を占め世界最大。同社の2003年売上高は6億9,000万ドル(前年比24.9%増)である。またアタカマ塩湖鉱区10ヵ所のうち9ヵ所の利権を確保し、残り1区がChemetallのものとなっている。SQMは現在、炭酸リチウムを世界市場に供給しているが、将来的にはリチウムイオン電池の直接原料となる水酸化リチウムを製造することを発表している。

業界筋によると、カナダの肥料会社PCSはSQM経営権の取得を狙っているが、2005年1月時点でチリ人実業家が経営権を保持している。同社の意図は、世界最大の肥料(硝酸塩カリウム)メーカーの経営権確保にある。PCSは世界最大の肥料会社であり、肥料市場の寡占化を狙ったことは明らかだが、リチウム資源確保をどの程度考慮に入れていたかは不明である。

中国の需要増に伴い、中国企業がチリのリチウム資源を確保するためにSQMへの出資や鉱区権取得の動きが注目されるが、2005年1月時点では明らかになっていない。業界筋によると、同社の経営権を取得するのに不可欠なA株の株主構成は安定しており、中国企業による出資は容易ではないとしている。ただし、中国市場ではリチウム買い付け価格が高騰しており、日本市場への供給がさら
に逼迫する恐れが十分にあるという。チリ政府が2005年1月に公開した中国・チリ自由貿易協定(FTA)共同研究会最終報告書によると、中国は国内産業の原材料確保と調達コスト軽減を図るため、第三者の仲介を排除し、チリ企業と中国企業の直接取引を志向しているという。

需給バランスの崩れたリチウムの供給増加は、SQMの増産にかかっているが、2005年1月時点でリチウムの増産計画は発表されていない。業界筋はこの理由として、a.リチウムは現在の採掘場所では増産できず、新鉱区での採掘が必要であること、b.主力製品であるヨードと硝酸塩リチウム設備投資を優先していることを挙げている。

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次世代電気自動車のアキレス腱「リチウム」:NBonline(日経ビジネス オンライン) anchor.png

チリ以外の状況もわかります。

2005年における世界のリチウムメタルの生産量は2万1400トンであった。そのうち主要生産国はチリが8000トン、オーストラリア4000トン、中国2700トン、ロシア2200トンそしてアルゼンチンが2000トンである。リチウムメタルの埋蔵量は、世界トータルで1340万トンのうち、未開発のボリビアが540万トン、生産量で最大のチリが300万トン、アルゼンチン200万トン、ブラジル91万トンで、南米4カ国で、実に84%の1131万トンを占める。


中国は110万トンで、残りは数10万トン規模である。燃料電池車に必要な白金が南アフリカ共和国に、そして石油が中東に偏在していると同じようにリチウムも南米に極端に偏在し、地政学的な不安定性を抱えているのである。埋蔵量の1340万トンについては、米地質調査所(USGS)によると 1100万トンと、より低く評価されている。


電池に使われるリチウム資源は、塩湖に賦存しており、主として炭酸リチウムとして産する。炭酸リチウム(Li2CO3)としての埋蔵量は、 USGSによると5800万トンとされている。世界のリチウム生産量のうち電池に使われる炭酸リチウムとしては約75%で、年間7万~8万トンである。


主な産出国別にみると、チリ北部に位置するアタカマ塩原(Salar de Atakama)にある塩の鉱床は炭酸リチウム、その生産量は年間4万~5万トンである。未開発ではあるが埋蔵量ベースで世界の50%近くを保有するボリビアの資源は南端のウユニ塩原(Salar de Uyuni)にある。アタカマとウユニいずれも太古の時代には内海であった塩田(salt pan )で、現在標高3000メートル以上の高地の極めて厳しい自然条件の下にある。


ボリビアのリチウム資源開発はこれまで何度か試みられたが実現していない。それは、最近の政治情勢すなわちモラレス大統領が2006年5月に石油・天然ガスの国有化を宣言して、資源ナショナリズムと反米をむき出しにしてきているなど、西側鉱山会社にとって開発意欲が全くわかない事情があることによる。


いずれにしても、ボリビアの現政権ではウユニの資源開発は許可されないだろうと見られている。やはりリチウム資源保有国のアルゼンチンにおいても、国際的鉱山会社は地域住民との間の軋轢が増してきているため、ボリビアと同じような政治・社会情勢になり、鉱山会社の資産が国有化されるのではないかと恐れを抱いている。


一方、中国では、チベットと隣接の青海において5000トン能力で生産が間もなく始まる。そしてチベットの塩湖においても青蔵鉄道完成とともに小規模の生産が始まった。しかし、中国も当然ながらリチウム資源を戦略物資として温存し、輸出禁止にしてくるはずだ。中国には燃料電池に必要な白金がないから、首脳部も次世代自動車はEVでいくとはっきり言っている。


それでは、リチウム・イオン電池による電気自動車を世界の主流とした場合に、炭酸リチウムの需給はどうなるのか。電池の容量kWh(キロワット時)当たり1.4~1.5キログラム必要であるから、世界の自動車生産量年間6000万台をPHEVにしてプリウス並みの5kWhの小さな電池を搭載したとしても、炭酸リチウムの年間需要量は現在の生産量の約6倍、45万トンになる。


しかし電池容量は現実的には8kWhは必要と思われるので約10倍の72万トンとなる。このような需要量を賄うことは、現在のような極めて小規模な生産しかできない鉱床からは考えられない。その上、10億台にも達する勢いの世界の自動車保有台数を考えるとすべて5KWHとしても100倍にする必要がある。


炭酸リチウムの価格は、2004年までは1キログラム当たり1ドルだったが、2005、2006年で5ドルを超えた。そして、ある日本の電池メーカーの買値は10ドル以上と言われている。
結論としては、今世界がリチウムイオン電池に魅せられている。

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海水からのリチウム採取 anchor.png

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産総研: 四国センター 四国センターが誇る技術「海水からリチウムを採る!」 anchor.png

実現すれば、資源的な問題は確かになくなります。

四国センターでは、従来から海水からのリチウム採取技術の確立に向けて研究を進めています。その1つがイオン鋳型反応を用いたリチウム吸着剤です。これは、鋳造に使われる鋳型の原理を応用したものです。まず、担体となる酸化物とリチウムを混ぜ、加熱・反応させて、リチウムと金属の複合酸化物を作ります。次に酸で処理することによってリチウムを溶かし出し、リチウムにピッタリのサイズの細孔を作ります。これがリチウム吸着剤となります。

リチウム吸着剤の実用化に当たって問題となるのはその経済性です。リチウム吸着剤に、海水を効率よく触れさせる必要があります。四国センターでは、海流や発電所の温排水などの流れをうまく利用した低水圧型吸着装置の研究を実施しています。その結果、吸着量は、10日間で、9mg/gを達成しています。


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Last-modified: 2018-01-08 (Mon) 01:23:59 (JST) (9d) by evinfo